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おひな祭りの夜に

ひなまつり

小さな頃、毎年必ず母が七段のひな飾りを出してくれていました。
子供の頃はお部屋にお人形が飾ってあるってだけでうれしかったけど、中学生になったらもうショウノウくさいとか夜怖いとかいう理由で、ゆっくり見たこともなかったなぁ。

それでも必ず母は、二月に入るともうひな人形を出してくれて、ひな祭りの翌朝、私が起きた時には部屋の半分ちかくを陣取ってそびえたっていた七段の赤い毛氈はあとかたもなく、おひなさまやおだいりさまたちはみんなまた、白く柔らかな紙に綺麗にくるまれて、新しいショウノウの香りにつつまれて、押入れに閉まってあったっけ。
(おひなさまは早めに出してあげて、ひな祭りが終わったらすぐにしまわないと「行き遅れる」んだって・・・あ、アタシの場合、母の努力の甲斐なく結果的には行き遅れたけどね・・・(^^;)www )


ひな祭りはそれが当たり前だと思ってた。

七段飾りにチラシ寿司、ハマグリのお吸い物に菜の花のおひたし。

それが当たり前だって思ってた。

でもね。

自分が主婦になると、
毎日忙しい中、押し入れの奥からおひなさまたちを出し、大きな段を組みたて、赤い毛氈を敷き、お人形たちをきれいに飾ってくれて、そしてひな祭りが明けた夜中の家族が寝静まったころ、すべての家事を片付けたあとの寒い寒い夜中に、母が一人で押し入れに、おひな様たちを一つ一つ大切にしまってくれていたことが、どんなにたいへんなことだったか、今ならよくわかります。

ママ、ありがとう。

今年もおひなさまはあなたのお家で微笑んでいますか?

あなたのように、微笑んでいますか?

ありがとう。